冬のビール販売を盛り上げるために。
暖房が普及する前、冬場のビールの売り上げは厳しいものでした。冬向きの商品の開発や年末のギフトとしての提案など、ビールの需要を増やそうと様々な工夫がされました。
1932年12月1日発売、「キリンスタウト」は当時少なかった夏以外のビールの需要を増やそうと、冬向きの濃厚なビールとして発売され、「冬飲むビール」というキャッチコピーが使われました。新発売の告知ポスターには、スキーを楽しむ若者がビールを飲むビジュアルが使われています。
※スタウトとは、濃色麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いという意味です。
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暖房が普及したことにより、夏の風物詩であったビールは冬でも楽しめるようになりました。
1960年代になるとビールの冬の消費量は更に増え、「野菜や果物に季節感がなくなったように、ビールも今や年間を通じての飲みものとなった。冬、暖房のほどよくきいた部屋で飲むビールの味もまた格別、というわけで、ここ数年、需要は年ごとに二、三割ずつふえている」と1963年1月27日付朝日新聞に掲載されています。年間を通じて、ビールが楽しまれるようになりました。
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