1952(昭和27)年5月、東京・銀座のビアホールが屋上に「ルーフガーデン」を開いた。同年5月16日付『毎日新聞』の記事では「町のビヤホールもルーフガーデンと銘打って屋上に進出、一日の勤めを終えたサラリーマン氏があふれ、よしずに下った提燈がゆらゆら…。夜風にゆれて初夏の前奏曲を奏でている」と仕事帰りのサラリーマンがくつろいでいる様子を伝えている。現在でも見られるビアガーデンの風景である。暑い夏の日々、仕事帰りにグッと一杯、外で飲むビールは当時のサラリーマンにとっても一日の疲れを吹き飛ばす喜びであったことであろう。
その後、昭和30年代のうちに、ビルの屋上にはビアガーデンが数多く開かれるようになった。仕事を終えたサラリーマンやビール党がつめかけ、以後屋上のビアガーデンは夏の風物詩となったのである。