1952(昭和27)年の夏、海水浴客や登山客、帰省客などのために、鉄道各社は独自のサービスに重点を置いた列車を数多く走らせた。そのなかで、小田急電鉄が新宿〜江ノ島間で走らせたのが、車内にビールスタンドを設けた「納涼列車」である。
これは、新宿を夕方5時に出発し、車中でビールを楽しんだあと、江ノ島海岸を散歩し、涼味を満喫して夜の10時半に新宿に戻ってくるというものであった。
この「納涼列車」は、沿線の宅地化が進んだことなどによって1970年代に廃止されたが、1990年代には夏のイベントとして一時的に再開された。