1955(昭和30)年11月1日から遊興飲料税が改正となり、同時に公給領収証制が導入されることとなった。『読売新聞』(1955年10月30日付)の記事によると、この公給領収証制は、勘定を払った客に対し、業者が必ず渡さなければならないもので「各都道府県が発行し一枚一枚写しをとってゴマかせない仕組となっているので業者は領収証の写しを集計で総売上げがはっきり押えられ、ひいては所得税にまで影響してくる」ものであった。また、利用客も領収証に「使った金額にウソを書いてもらえないので社用族など大困り」というものであった。
しかし、前勘定を行う飲食店では100円以下が免税となるため、チケットを先に購入するビアホールでは、それまで500mlで126円だったジョッキを435mlにして100円で販売するようになり、「100円ジョッキ」と呼ばれるようになった。その後、ビールの価格が変わっても、435mlジョッキはビールの中ジョッキとして定着し、現在も多くの飲食店で使われている。
「100円ジョッキ」(『読売新聞』1955年10月30日付)