1958(昭和33)年12月19日付の『読売新聞』に掲載された調査では、「家庭で年間一人当りどのくらい飲んだかというと、都市世帯では清酒が2.89リットル(一升六合)、ビールが1.89本とそれぞれ増加した」とある。ビールの家庭消費率は44.4%で、全体供給量の55%が料理屋などとなっており、家庭の外で飲まれる量のほうがまだ多かった。
しかし、その2年後の1960(昭和35)年になると、家庭消費量は都市部で全体の47.4%、農村部では51.4%と、微量ながら増加した(1960年「酒類とたばこ等の消費実態調査報告」)。家でビールを飲む習慣が徐々に広がっていったことは、各家庭に電気冷蔵庫が普及したことと深い関係がある。
内閣府 経済社会総合研究所「主要耐久消費財等の普及率」
ビール酒造組合 統計資料「ビールに出荷量」(1960年頃)より掲載