1964(昭和39)年6月24日付『読売新聞』の記事によれば、この年の夏、東京・銀座を中心に、新宿、池袋などの東京の繁華街を合わせると屋上ビアガーデンは50店舗にまで増えたという。とくに人気だったのが、銀座のビアガーデンが導入したバーベキューである。「銀座・数寄屋橋わきには屋上に炭火を持ちこんで、ジョッキを傾けながらバーベキューを…と趣向をこらす店まで登場、火をかきたてて、煙をあげながらの納涼客で閉店まで大入りの繁盛ぶり」であった。それまでのビアガーデンでは、枝豆やピーナッツなど、定番のおつまみを出す店が多く、今では当たり前となったバーベキューのできるビアガーデンはまだ珍しかったようである。