1980年代初めのビール業界では、中味ではなく容器の大きさやデザインによって売上げを競い合う「容器戦争」が巻き起こった。
1980(昭和55)年頃から、ビール各社は、グラスなしでそのまま飲める小型のびんビールや、250mlなどミニサイズの缶ビールを相次いで発売。そこに端を発して、さらに多彩なサイズ展開に加え、目を引く個性的なデザインや形の容器が現れ、1982(昭和57)年には「容器戦争」と呼ばれる状況が生じていた。
しかし、1980年代の中頃には、この「容器戦争」もひとまず沈静化した。この後のビール業界では、容器ではなく、中味であるビールそのものの多様化・新製品開発が進んでいくことになる。