ヒストリークルーズ  Vol.5 茶の話 緑茶の登場から人気商品になるまで。 中国で始まった茶の歴史は長い年月をかけ世界中に広がり、その国、その土地の生活に合わせ、さまざまな進化を遂げ根付いていきました。日本へは、遣隋使によって持ち込まれたと言われています。お茶の誕生から、緑茶飲料の登場・人気商品になるまでをご紹介します。 ヒストリークルーズ

Vol.5 茶の話

緑茶の登場から人気商品になるまで。

中国で始まった茶の歴史は長い年月をかけ世界中に広がり、その国、その土地の生活に合わせ、さまざまな進化を遂げ根付いていきました。 日本へは、遣隋使によって持ち込まれたと言われています。お茶の誕生から、緑茶飲料の登場・人気商品になるまでをご紹介します。


お茶の誕生は中国
一般的に知られるリーフ(茶葉)

一般的に知られるリーフ(茶葉)


茶のバイブル『茶経』

茶のバイブル『茶経』。巻初に「茶は南方の嘉木なり」(茶は南方に生育する良い木だ)と読める。(資料提供:高知県立牧野植物園)


チャの木の起源はどこにあるのでしょうか? 8世紀、唐の時代に活躍した文人・陸羽(りくう)は、彼の著した『茶経』の中で、「茶は南方の嘉木なり」と記しています。「南方」がどのあたりなのかは定かではありませんが、諸説から中国の南方域であると考えられています。漢方の発祥の地でもある中国での茶の起源は、記録の存在しない神話の時代から薬用として伝えられています。
日本茶、中国茶、紅茶など、世界各国のお茶は中国原産のひとつの植物「チャ」の葉からつくられています。同じ植物の製品が、異なった製法や飲み方でこれほど受け入れられている植物は他に例を見ません。ツバキ科の植物であるチャは、日本では8月の終わりから11月頃にかけて、枝先に白い花を咲かせます。

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一般的に知られるリーフ(茶葉)

一般的に知られるリーフ(茶葉)


茶のバイブル『茶経』

茶のバイブル『茶経』。巻初に「茶は南方の嘉木なり」(茶は南方に生育する良い木だ)と読める。(資料提供:高知県立牧野植物園)


1853(嘉永6)年
世界に羽ばたく日本茶
茶箱に貼られたラベル

輸出する茶を納めた茶箱に貼られたラベル。1903(明治36)年のもの。(四日市印刷工業株式会社提供)


幕末から明治にかけて海外からワインをはじめ多くの飲みものがもたらされましたが、海外では日本茶が人気になりました。茶の海外輸出は1853(嘉永6)年、長崎の商人であった大浦 慶に始まると言われています。日本茶は生糸とならぶ重要な輸出品となりました。

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茶箱に貼られたラベル

輸出する茶を納めた茶箱に貼られたラベル。1903(明治36)年のもの。(四日市印刷工業株式会社提供)


1986(昭和61)年
ペットボトル入りウーロン茶の開発に成功、「嘉福烏龍茶」発売
ペットボトル烏龍茶「嘉福烏龍茶」

ペットボトル烏龍茶「嘉福烏龍茶」<1986(昭和61)年発売>


日本で清涼飲料にペットボトル容器の使用が許可されるようになったのは1982(昭和57)年で、炭酸飲料や果汁飲料に採用されました。しかし、茶飲料には採用されませんでした。これは茶飲料が、高温での殺菌を必要とするなど、ペットボトル容器を用いるには製造技術上、乗り越えねばならない課題が多かったからです。そのような中で、キリンビールではペットボトル入りウーロン茶の開発に成功。1986(昭和61)年4月「嘉福烏龍茶」を発売します。この成功ののち、紅茶、緑茶飲料のポットボトル化の挑戦が始まります。

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ペットボトル烏龍茶「嘉福烏龍茶」

ペットボトル烏龍茶「嘉福烏龍茶」<1986(昭和61)年発売>


2000(平成12)年
「キリン 生茶」発売
発売当初の「キリン 生茶」

発売当初の「キリン 生茶」


緑茶飲料はかつて、「お金を払って買うなんて」と言われていました。そんな緑茶飲料に新しい味とスタイルを提案した「キリン 生茶」の進化の歴史を「商品ブランドの歴史」のコーナーでご紹介します。

発売当初の「キリン 生茶」

発売当初の「キリン 生茶」


〈コラム〉「キリン 生茶」ネーミングの由来

生茶葉エキスを使うという製法は、「生ビール・生ハム・生チョコなど、“生” にはおいしさの イメージがある。お茶にも生があってもいいのでは」という発想からでした。そしてこの“生” は商品名にもつけられることになりました。
“日本のお茶を変えたい” それが私たちの志です。

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2016年発売 「キリン 生茶」

2016年発売 「キリン 生茶」

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