商品ブランドの歴史 商品ブランドの歴史

キリン 午後の紅茶

1986年 発売時のパッケージ

1986年 発売時のパッケージ

1988年 缶発売時のパッケージ

1988年 缶発売時のパッケージ

1992年 リニューアル時のパッケージ

1992年 リニューアル時のパッケージ

1996年 500mlサイズのペットボトルが登場

1996年 500mlサイズのペットボトルが登場

2000年 リニューアル時のパッケージ

2000年 リニューアル時のパッケージ

2010年 ペットボトルの質感を変更したパッケージ

2010年 ペットボトルの質感を変更したパッケージ

2018年 感性工学の手法から生まれたボトル

2018年 感性工学の手法から生まれたボトル

2024年 リニューアルパッケージ

2024年 リニューアルパッケージ


日本の紅茶飲料市場をリードしてきた「キリン 午後の紅茶」は1986(昭和61)年10月に発売されました。

1970年代以前、日本の清涼飲料市場は、炭酸飲料や果汁飲料が中心でした。1980年代に入ると、お客様の嗜好の多様化が進み、コーヒー飲料や、ウーロン茶などの茶系飲料が発売されるようになりました。お客様が清涼飲料に求めるものは、のどの渇きを癒すことや、清涼感だけではなくなってきたのです。
また、1980年代は1.5Lのペットボトル容器入りの飲料が発売され、容器の大型化が進んだ時代でもありました。そこで、当時のキリンビールの清涼飲料開発チームでは、今までにない1.5Lのペットボトル入りのお茶関係の商品をつくろうと考えました。そこで候補にあがったのが、紅茶だったのです。

当時、家庭ではすでに紅茶が手軽にティーバッグなどで飲まれていました。しかし、家庭でアイスティーをつくるのは意外と手間がかかります。紅茶を抽出して、砂糖を溶かして、氷を入れてつくらなければなりません。開発チームは、家庭でも手軽に飲むことができる、本格的なおいしさのペットボトル入りの紅茶をつくろうと考えました。

しかし、それには、ある問題点がありました。紅茶は、熱い時には透明で澄んだ色をしていますが、冷めると白くにごってしまう特性があります。ペットボトルに詰めて販売するには、時間が経ってもにごらず、透き通った紅茶の色を継続する商品を開発することが必要だったのです。どうすれば家庭の冷蔵庫の中でも淹れたての紅茶の透明感を出せるのか、茶葉の選定、抽出法の工夫など、あらゆることを試し、ついににごらない「クリアアイスティー製法」を開発しました。この技術は、当時の清涼飲料業界では画期的な技術革新でした。

商品名は、日本にも紅茶の本場・イギリスの習慣を根付かせたいという思いを込めて、イギリスの習慣である「アフタヌーンティー」に由来して「午後の紅茶」とすることにしました。そして、アフタヌーンティーの習慣の創始者とされる、19世紀後半にイギリスに実在した人物・ベッドフォード公爵夫人のイラストをラベルに描くことにしました。また、紅茶らしい色として、メタリックな赤をメインの色に選び、金帯をつけたラベルデザインが完成しました。こうして、「キリン 午後の紅茶」は1.5Lペットボトル入りのストレートティーとして、1986(昭和61)年10月に発売されたのです。

発売から2年後の1988(昭和63)年、1.5Lペットボトルの好評を受け、缶が発売されることになりました。ペットボトルでは側面に描かれていたベッドフォード公爵夫人のイラストを正面に描き、アフタヌーンティーとベッドフォード公爵夫人の説明をパッケージに入れました。また、現在では定番となったミルクティーをこの年に、レモンティーは翌年に発売されました。缶製品の発売とラインアップの拡充によって、「午後の紅茶」の販売量は飛躍的に伸びたのでした。

1990年代に入ると、紅茶飲料市場はさらに拡大し、本格的な紅茶の味わいを求める消費者の声も聞かれるようになりました。そこで、1992(平成4)年、食事の時や、のどが渇いた時にも楽しめるように、より甘さを抑えたすっきりとした味わいにリニューアルし、さらには本格志向の消費者に応えるために、より良質な茶葉を選ぶとともに、パッケージも上質感、高級感のあるデザインに変更しました。そして、1995(平成7)年の容器包装リサイクル法の成立などリサイクルシステムの整備を受けて、1996(平成8)年、パーソナルサイズの500mlのペットボトルを発売しました。これにより、当たり前のように持ち歩けるようになり紅茶の楽しみ方が拡大し、飲用シーンも多様化していきました。

発売から14年が経った2000(平成12)年、日本の紅茶飲料の販売量は伸び悩んでいました。そこで、トップブランドである「午後の紅茶」を通じて、おもに大人の女性に向けて紅茶飲料の魅力を伝え、市場を再活性化すべく大幅なリニューアルを行うことにしました。嗜好飲料として紅茶の原点に立ち返り、たどりついたのは茶葉へのさらなるこだわりでした。そこで、ストレートティー、ミルクティー、レモンティーなどのアイテムごとに、最適な茶の産地や茶葉の銘柄を選んで使用することにしました。パッケージには、新しい「午後の紅茶」のシンボルとして、今を軽やかに自由に生きる女性の気持ちを表現した「ココロの羽」を描きました。

2000年代初頭には緑茶を中心とした無糖茶の新商品が数多く発売され、無糖茶飲料ブームがおこりました。そのような中、消費者は紅茶飲料に無糖茶とは違う価値を求めるようになりました。2003(平成15)年、これまでの紅茶=甘いイメージから脱却するために、“アイスティーでこそ美味しく味わえる紅茶”としてスッキリした味わいとキレ味を実現しました。発売20周年の2006(平成18)年には、紅茶はヘルシーな飲み物であることも訴求しブラッシュアップしていくのです。

2010(平成22)年、「午後の紅茶」がそれまでこだわり続けてきた「紅茶葉本来のおいしさ」をあらためて追求してストレートティー、ミルクティー、レモンティーの定番品のリニューアルを行いました。ラベルだけでなく、ペットボトルそのものの質感にもこだわり、氷をモチーフにした紅茶の液体がキラキラと輝くシンプルな形状の新ペットボトルを採用しました。

また、この年には、紅茶の飲用シーンの拡大を目的に、それまで缶コーヒーが中心であった仕事の合間の休憩時にも紅茶を楽しんでもらおうと、エスプレッソ抽出した紅茶葉の良質な苦味が味わえる「午後の紅茶 エスプレッソティー」を発売しました。翌2011(平成23)年には、無糖茶が中心であった食事中やのどの渇きを癒したい時にも紅茶を楽しんでもらおうと、「午後の紅茶 おいしい無糖」を発売しました。このほかにも季節のフルーツを取り入れた商品や健康に配慮した商品展開を行ってきました。

2018(平成30)年には、お客様が感じるイメージと好みを解析し、コンセプトに合致した容器を科学的にデザインする、感性工学の手法から生まれた新ボトルを採用しました。

さらに2024(令和6)年、ラベルのアーチ状のデザインや余白感によって、現代的で上質なデザインへと進化しました。ボトルはダイヤカットが特長的な新容器にリニューアルし、紅茶の液色がよりクリアでおいしそうに見える形状から「アイスティーグラスボトル」と名づけました。

常に時代の変化を捉えて新たな紅茶飲料の可能性を探究し、本格的な紅茶本来のおいしさを追求してきた「午後の紅茶」。現在でもその姿勢とおいしさへのあくなき追求は続いています。

1986年 発売時のパッケージ

1986年 発売時のパッケージ

1988年 缶発売時のパッケージ

1988年 缶発売時のパッケージ

1992年 リニューアル時のパッケージ

1992年 リニューアル時のパッケージ

1996年 500mlサイズのペットボトルが登場

1996年 500mlサイズのペットボトルが登場

2000年 リニューアル時のパッケージ

2000年 リニューアル時のパッケージ

2010年 ペットボトルの質感を変更したパッケージ

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2018年 感性工学の手法から生まれたボトル

2018年 感性工学の手法から生まれたボトル

2024年 リニューアルパッケージ

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