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キリン 生茶

日本で初めて缶入りの緑茶(煎茶)が登場したのは、1985(昭和60)年でした。その後を追うように、清涼飲料を扱う各社でも缶入りの緑茶をつぎつぎと発売していきます。しかし当時は、「お茶は家庭で淹れて飲むもの」と考える消費者が多く、お金を払ってお茶を買うものではないというイメージがありました。日本人にとって身近な飲料であるはずの緑茶飲料は、自動販売機や店頭などで手軽には手に入れられず、コーヒー飲料との生産量は約5倍もの差がありました。
お弁当などと一緒に販売されることが多く、コーヒーや炭酸飲料、果汁飲料とは同じ土俵には上がっていなかったのです。

左)2000年 右)2005年

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左)2007年 右)2009年

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左)2009年 右)2014年

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左)2016年 右)2017年

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90年代になると、多くの緑茶飲料は苦み・渋みを強調したより緑茶らしい味わいで発売します。しかし、キリンビバレッジはそこに疑問を持ちます。緑茶は、苦くて渋いだけではないはず。お客様が求めている味わいと乖離があるのではないだろうか。
「今ある緑茶飲料に対するお客様の潜在ニーズに応えよう」そうして、あたらしい緑茶飲料の開発が始まりました。

開発担当者は、お茶を調べつくした結果、お茶の“うまみ”にポイントがあるのではないかと考えました。そこで、お茶のうまみ成分のひとつである“テアニン”に着目します。
テアニンとは、お茶に含まれるアミノ酸の一種で、うまみやあまみをもたらす成分。
この“テアニン”を多く含む玉露とかぶせ茶の茶葉を使用し、さらには生茶葉抽出物を加えた、それまでにはなかった、お茶のうまみやあまみを実感できる緑茶飲料が誕生しました。

2000年3月21日、「キリン 生茶」が全国発売。

「生茶」は市場から大きな反応があり、2000年の清涼飲料市場最大のヒット商品と言われました。これを受けて清涼飲料各社も緑茶飲料を次々と発売し、市場は緑茶ブームの状態になりました。緑茶飲料はやっと、食事に合せるという目的だけではなく、気分を変えたり、味わいそのものを楽しむ飲みものとなったのです。

「生茶」はお客様が本当に求めていた味わいを実現することと同時に、ネーミングやパッケージにもこだわりを見せます。生茶葉抽出物を使うという製法は、「生ビール・生ハム・生チョコなど、“生”にはおいしさのイメージがある。お茶にも生があってもいいのでは」という発想からでした。そしてこの“生”(※1)は商品名にもつけられることになりました。

(※1)ビールやハムとは異なり、お茶には「生」に関する定義がないため、パッケージに生茶葉抽出物を使用していることと、加熱処理している旨を記載しています


発売時のパッケージは緑と黄色のグラデーションを基本とし、正面には生の茶葉から茶のしずくが垂れるグラフィックを施したもので、それまでの緑茶飲料にはなかった、斬新なパッケージでした。 発売時から何度もリニューアルを重ねた「生茶」は常にその味わいやスタイルで新しい緑茶の楽しみを提案し、多くのお客様の支持を得ました。

その後も「生茶」は進化し続け、2009年にカフェイン50%オフの「キリン やわらか生茶」を発売後、2014年にペットボトル緑茶飲料としては世界初(※2)のカフェインゼロを実現した「キリン やさしさ生茶カフェインゼロ」を発売するなど、緑茶に新しい飲用シーンを提案しました。

(※2)ペットボトル緑茶史上初(100ml当たりカフェイン含有量0.001g未満のPET容器詰め緑茶飲料、2014年2月SVPジャパン調べ。)


しかし、時代の流れと共にお客様の「生茶」に対するイメージも変化してきます。そこで、2016年にはフルリニューアルを実施。今の日本の生活にあるべき緑茶とは何かと考え、のどの渇きを癒すための役割のみならず、嗜好品としての緑茶として捉え、「あたらしい緑茶文化を生み出す未来のグリーンティ」を目指しました。茶葉を低温で丁寧に抽出した後に微粉砕茶葉を加えることで、「お茶のいいところ“まるごと”のおいしさ」を実現したのです。ガラスのびんをイメージし、「Rich Green Tea」という力強いメッセージを配した和モダンなラベルは、「生茶」の新しいイメージをつくりました。
このシンプルで洗練されたデザインを踏襲したカフェインゼロの「生茶 デカフェ」も2017年に発売。
 
これからも、新しい緑茶カルチャーの創造を目指し、まだまだ「生茶」の進化は続きます。

左)2000年 右)2005年

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左)2007年 右)2009年

左)2007年 右)2009年

左)2009年 右)2014年

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左)2016年 右)2017年

左)2016年 右)2017年




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