いろいろなチャの仲間たち
サザンカ(Camellia sasanqua)は日本の固有種で、花の少ない秋から冬に咲くため、古くから庭木や垣根として利用されてきました。花は基本的には白です。雄しべの花糸は離れており、基部のみが合着します。
また、果実の表面にも毛があるほか、葉柄にも細毛がある点でヤブツバキと異なります。
ヤブツバキ(Camellia japonica)は日本の照葉樹林(しょうようじゅりん)を代表する木の一つで、本州から九州、四国、南西諸島、台湾に分布します。花は通常は濃紅色で、花糸は半分が合着して筒状となり、葉柄は無毛です。
一方、チャの花は白色で、雌しべの花柱は3裂し、雄しべは多数で輪生します。ツバキ、サザンカ、チャの花を比べると、それぞれの違いが際立ちます。
広義のチャ(Camellia sinensis)は中国南西部からベトナム、インドなどに分布します。中国南西部を原産地とし、高木で大型の葉をつけるアッサミカ系(C.sinensis var. assamica アッサムチャ)と低木性で小型の葉をつけるシネンシス系(C.sinensis var. sinensis チャ)とに分布したと考えられています。
この他、チャの仲間には他にターリエンシス(C. taliensis 中国)やイラワジエンシス(C. irrawadiensis ミャンマー)が確認されています。
ヤブツバキ
日本の照葉樹林(しょうようじゅりん)を代表する花木。
タマノウラ
長崎県五島列島の玉之浦(たまのうら)で発見されたヤブツバキの品種。
トサウラク
織田信長の弟である茶人、有楽斎(うらくさい)が愛したツバキ。トサウラクは大型種。
チャの仲間たち(資料出典:高知県立牧野植物園)
樹齢1700年のチャの巨木も現存
樹齢1700年の巨大茶樹「茶樹王」と磯淵 猛氏。いかに巨大かが分かる。
整然と整理された中国の茶畑。
出典・参考(写真提供も):
磯淵猛氏著
『一杯の紅茶の世界史(文藝春秋社)』
1961(昭和36)年、雲南省の西双版納(シーサンパンナ)にある巴達(バーター)山の標高1300メートルのジャングルの中で、樹齢1700年と推定される茶の巨木が発見されました。高さ14.5メートル、地面から何本もの幹に分かれ、太いものは直径60センチほどもあり、さらに上の方でも幹が分かれ、基部の周囲は2.9メートルもありました。
雲南省茶葉研究所の報告によると、この巨大茶樹は現在、一般的に普及しているチャの木、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)ではなく、それに最も近い近縁植物のカメリア・タリエンシス(Camellia taliensis)だということが分かりました。この種は、巨木になり、高さが20メートルを超えるものもあります。
この茶樹王を発見したのは、この地で古くから茶と関わってきたハニ族でした。
ハニ族の住む西双版納の景洪(ジンホン)から北上した思茅(スーマオ)地区は茶の産地として名高く、茶園はきれいに整備され、山には段々畑に開かれ、すべて茶の木で埋め尽くされています。西双版納は、25もの少数民族が住む地で、ハニ族の他、ジノ族などの人たちが、時に民族衣装を着て茶摘みをしています。
チャのルーツは中国、と言えますが、いまではアジアだけでなく、アフリカなどでも、チャが栽培されるようになり、各地で茶が生産されています。次に、各地で栽培されるようになったチャの特徴と違いを見てみましょう。
樹齢1700年の巨大茶樹「茶樹王」と磯淵 猛氏。いかに巨大かが分かる。
整然と整理された中国の茶畑。
出典・参考(写真提供も):
磯淵猛氏著
『一杯の紅茶の世界史(文藝春秋社)』