クイーン・アン
紅茶を引き立てる美しいティーカップ
『イギリスのティータイムいろいろ』
1日に何度も紅茶を飲む習慣は、今でもイギリスでは伝統的に受け継がれています。
『アーリーモーニングティー』
まだ寝ているベッドに、モーニングコールのように熱い紅茶を運ばせて、その一杯で目を覚まそうという贅沢な一杯。飲んでから眠くならないよう、インド茶のアッサムやスリランカのウバなどの渋みの強い紅茶にミルクを入れ、ベッドの上で朝刊に目を通しながら、心地よい朝を迎えます。目覚ましや水分補強の他、何よりもゆとりの精神を育んだことでしょう。
『ブレックファーストティー』
イギリス式のブレックファーストは、フレッシュジュース、ベーコンエッグ、コーンフレーク、魚類、サラダ、トーストなどの盛りだくさんのメニューを、時間をかけてじっくり食べます。その際に飲まれる紅茶は、日本人が朝食の時に飲むような緑茶の感覚に似たもの。葉はさほど高価なものではなくともよく、味はややアクセントのある強めのものが合います。
『イレブンジズティー』
午前11時頃、昼食前のティーブレイクとして10分から15分位で飲まれます。もとは、18世紀初めの貴族の生活から始まった習慣で、ベッドから起き出して、身づくろいをする間に召使いが運んできたという優雅な一杯でした。
『アフタヌーンティー』
午後の3時から5時頃、夕食前の小腹満たしに、サンドイッチやスコーン、ケーキなどと共に飲まれる紅茶。貴族などが行う伝統的なアフタヌーンティーでは日本の茶事に近い感覚があり、招く部屋のインテリアや茶道具がどれだけ洗練されて手入れが行き届いているか、フードはどれだけ豪華か、話題はどれだけ豊富かなど、招待主側のセンスが問われます。イギリスの紅茶文化のメインタイムだけに、イギリス人ならではの美意識とこだわりが凝縮されています。
『ハイティー』
夕方から7〜8時頃までに、労働者などが夕食時に食卓を囲んで家族一緒に楽しんだものが、食卓の高さにちなんでハイティーと呼ばれました。ダイニングと応接間を別に持たない庶民のティータイムを指して使われていました。
『ナイトティー』
夕食が終わってベッドに入る前に読書をしたり、日記を書いたり、ゆったりくつろいで飲む一杯のこと。快適な眠りにつくために、香りの良いリキュールやブランデーを少し落として飲まれることもあります。
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