近代化を願いビールで乾杯
外務卿時代の井上馨(国立国会図書館 蔵)
大阪会議が開かれた当時の花外楼外観。大福帳に書かれた当時のメニューには、「ビール」の文字が見える(花外楼 提供)
イギリス密航で培われた近代化への情熱
井上馨は、1835(天保6)年11月28日、長州藩(現・山口県)で誕生した。初めて江戸に出たのは20歳の頃。そこで見たのは、黒船の来航により混乱した世の中だった。「海軍力を拡充することで攘夷を実行すべき」──そう悟った井上は蘭学や砲術を修め、海軍研究に傾倒すると、長州藩から許可を得てイギリスへ渡航。ただし、当時の幕府は自由な海外渡航を認めていなかったため、井上は「密航」したことになる。あえて危険を冒すほどに、井上の情熱は強かった。このときの仲間には、のちに初代総理大臣となる伊藤博文がいた。鹿鳴館時代を演出した後半生
維新達成後新政府内で活躍し、大阪会議などで功のあった彼は、1879(明治12)年に外務卿となる。おすすめ記事
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