軍医鷗外、ドイツで「麦酒」と出会う
ドイツ留学時代の森鷗外(国立国会図書館 蔵)
欧米のビール文化をじかに体感した留学時代
渡欧した当初の鷗外はまず、ドイツ人が飲むビール量の多さに驚かされたようだ。異国で得た糧と祖国での成功
鷗外はまた、ドイツ留学中に「ビールの利尿作用について」というドイツ語の論文を書いている。ミュンヘン大学衛生学研究所で教授に勧められて取り組んだもので、被験者の6人に、1日に10回、ほかに何も飲食せずビール、水、ホップ煮汁、アルコール溶液を摂取してもらうという実験を行った。結果、アルコールに利尿作用があることが判明(※1)。ドイツの学会に発表したところ、大いに喝采をあびたという記録が残っている。ザクセン軍医監ウィルヘルム・ロートからもらった愛用のビールジョッキ。胴体に「この杯にてブドウと大麦の汁をくむものに幸あれ」と刻まれている(文京区本郷図書館鷗外記念室 蔵)
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