(7)食の国際化と根強い居酒屋人気
バブル時代にかけて韓国料理、エスニック料理、イタリア料理などが普及し、「食の国際化」が顕著になる。それと同時にビールも国際化の時代を迎えた。1970(昭和45)年の大阪万博でミュンヘン館のビールが大人気を博して以降、外国のビールに興味を持つ人が増えたが、バブル期までは一部のブランドのみに限られていた。しかし、1990年代以降は輸入ビールを取り扱う業者が増え、アメリカ、西ヨーロッパ、アジア各国はもとより、東ヨーロッパやオーストラリアなどのビールも都市部では比較的容易に手に入れることができるようになった。
とはいえ、キリンビールが2005年に行った「飲食店に関する意識調査」では、行きたい飲食店(複数回答)としては80%の人が居酒屋を、60%以上の人が和食の料理店をあげ、飲食店で飲みたい酒として83%の人がビールをあげている。
ビールが最も飲まれるお酒になってから約半世紀たち、料理の種類や飲食店の選択肢は増え続けてきたが、「和食でビールを一杯」というスタイルは21世紀に入っても変わらず人気である。